浜松市には、日系ブラジル人や日系ペルー人を両親に持つ子どもたちが多くいます。しかし、こうした生徒たちは日本語が話せないことから学校生活になじめず、教育を受けにくいという現実があります。そこで、日系人家庭の子どもたちが母国語と日本語で学べるムンドデアレグリア校からの依頼を受け、高校生1名の職場体験を受け入れました。
ムンドデアレグリア校は浜松市に位置し、多様な文化的背景を持つ生徒たちが通う学校です。生徒たちは、日本での生活に必要な日本語力や知識を学びながら、異文化との触れ合いを通じて成長しています。同校では、生徒が社会に参加するためのスキルを育むとともに、多文化共生の理念のもと、お互いの違いを尊重し合う環境を整えています。さらに、進学や就職に備えて第二言語としての日本語教育を強化し、日本語検定の合格を目指す支援にも力を入れています。
今回の職場体験の目的は、日本での働き方や日本語でのコミュニケーションスキルを実践的に学ぶ機会を提供することです。具体的な目標としては、以下の3点を掲げました:
1.日本語でのコミュニケーション習得
実際の職場環境で日本語を使用することで、日常会話から仕事の指示に至るまで実用的な日本語を学びます。
2.働く上で必要なスキルや姿勢の体得
日本の職場では、時間管理や協力姿勢、丁寧な対応などが求められます。こうした基本的なビジネススキルを身につけることが目的です。
3.日本の文化や仕事のマナーを理解する
異文化での職場体験を通じて、日本での仕事文化を学び、学生にとって視野を広げ、異文化理解を深める機会を提供します。
今回のプログラムでは、以下の活動を行いました:
1.倉庫内での出荷作業
出荷作業を通じて、職場環境に慣れるとともに、具体的な業務の流れを体験してもらう。
2.日本語でのコミュニケーション練習
職場での指示や分からないことの質問を通じて、受け答えの仕方や言葉遣いを実践的に学んでもらう。
3.体験後のフィードバック
作業の進め方やふるまいについてのフィードバックを通じて、学ぶことのモチベーション向上につなげてもらう。
今回の職場体験を通じ、ムンドデアレグリア校の生徒たちが日本での仕事環境や仕事に対する基礎を築けることを願っています。今後さらに職場体験の受け入れが広がることで、浜松市に住む日系ブラジル人・日系ペルー人家庭の生活がより豊かになることを期待しています。